馬のキック力は体重とほぼ同じ 微妙な結果に終わった実験

馬 蹴る

『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ』

作者不明の都々逸ですが、馬に蹴られて当たりどころが悪ければ本当に死にます。

サラブレッドであれば400kg 以上の体重で時速60km以上の速さで走るだけのキック力がある。その威力たるや相当なもの。「馬の後ろに立つな」と言われるのも、後肢の蹴る力が強いから。

力の大きさを表す単位に「馬力」が用いられていたように、馬の力が強いことは誰もが認めるところ。

なのですが、計測が難しことから、これまで馬の蹴る力が詳しく調べられたことはなかったそうです。

馬の蹴る力をどう計測したらいいのか。

この難題にスイスとアメリカの科学者が取り組み、計測した研究結果が2016年9月に発表されています。

研究の結果は

馬の蹴る力は、自身の体重とおなじくらい

というもの。

500kg の馬の蹴る力は 500kg ということ。200kg のポニーでも 200kg の蹴る力がある。

しかしこの結果、実は微妙なものなのです。

この実験は「驚いた馬が突発的に蹴った」力を調べたものではなく、管理された条件で馬に蹴らせてキック力を測定したものです。さらに実験に用いられた馬の中には蹴ることを拒否したり、全力では蹴らない馬もいたという。

つまりこの実験の結果わかったのは、本気を出して蹴っていない馬のキック力なのです。

 

ようは「実験して数字を測ることはできた。だけど、どうもみんな手加減してるっぽい。状況次第ではもっと強烈なキック力がでるよなあ」ということ。


実験には足圧力分布測定システム “F-Scan” が用いられ、蹄(ひづめ)の裏に足圧センサーをつけることで”実際に蹴る力”が計測されました。足圧センサーは厚さ 2mmのパッドに取り付けられ、そのパッドに合うよう誂えた蹄鉄で固定しています。

キック力の測定は、特定の刺激に応じて蹴るようトレーニングを施された6頭で行われました。6頭の馬にセンサーを付けた上で、訓練どおりの刺激を与えて蹴らせる手法のため、驚いた馬が突発的に蹴った力というわけではありません。

教え込んだ刺激を与えても弱い力でしか蹴らなかったり、中には蹴ること自体を拒否した馬もいるため、測定された数値は馬の自然なキック力とは考えにくい。

また、研究者はセンサーの計測間隔がもっと短くなければ正しい数値は測れないだろうと考えています。

これらのことを踏まえて、今回の研究結果は数字としては議論の余地はあるものの、実際に馬の蹴る力が計測されたことは大きな一歩としています。

Scientists Study How Hard Horses Kick – The Horse

馬蹴る跳ねる蹴る馬と蹴らない馬 乗馬風景大学馬術部員、馬に頭を蹴られる事故2018/11/23

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。