牡馬〔馬の性別 – おすうま〕

馬の性別 牡馬

牡馬はオス馬のこと。一般に音読みで「ぼば」と呼ばれますが、訓読みの「おうま」や「おすうま」とも読まれます。

牛偏に土の「牡」はオスと読み、四本足で蹄(ひづめ)のある動物の雄に用いられます。

英語では年齢によって呼び方が異なり、2歳から4歳まではコルト(colt)、5歳以上をスタリオン(stallion)と区別されます。

  • フォール(Foal)     当歳・1歳未満の仔馬(牡牝問わず)
  • サックリング(Suckling) 離乳前の仔馬(牡牝問わず)
  • ウィリング(Weanling)  離乳後の仔馬(牡牝問わず)
  • イヤリング(Yearling)  1歳馬(牡牝問わず)
  • コルト(Colt)        2歳~4歳までの牡馬
  • スタリオン(Stallion)    5歳以上の牡馬

 

馬のメスは牝馬(ひんば)で、両方の性を表現するときは牝牡(ひんぼ)、あるいは牡牝(おすめす)と表現されます。

雌雄(しゆう)は人間以外の動物の性別を表すため、雄馬(おすうま、おうま)と書かれることもあります。

馬の性別はオス・メスの他に、騸馬(せんば)があります。騸馬は去勢(きょせい)した馬、つまりタマタマを取られた馬のこと。セン馬とも書かれます。

牡馬の特徴

牡馬の特徴はなんといってもタマタマがあること。

外見的には高さ(体高)も体重も牝馬を若干上回りますが、運動能力にそれほど大きな差はありません。

大きな違いはないとはいえ若干の差はあるため、競馬では牝馬のみのレースが行われており、それ以外では牝牡の差の補正のために牝馬の負担重量は2㎏軽減されています(国や条件によって違いはある)。

 

子孫を残す牡馬=種馬

競走馬や競技場として優れた結果を出した馬は引退すると種牡馬(しゅぼば)となり、繁殖を行います。

種牡馬はいわゆる種馬(たねうま)のこと。もっとも種牡馬になれるのはごく一部。1%いないレベルという狭き門。これは馬に限ったことではなく、優れた形質を残すため、どの家畜でも行われています。

サラブレッドが一般的な家畜と違うのは人工授精が認められていないこと。牝馬と牡馬を同じ場所に連れて行き実際に交配させる必要があります。

牝馬は季節によって繁殖可能時期がありますが、牡馬は牝馬の繁殖OKのサインに反応するため、年中種付けができます。

人工授精はできないけれど、牝馬が発情期に入っていれば繁殖できる。そのため北半球と南半球で季節が逆であることを利用して、牝馬が繁殖期にあるところに輸送するシャトル種牡馬という用いられ方もあります。

 

繁殖用馬を選別するクラシックレース

皐月賞、日本ダービー(東京優駿)、菊花賞のクラシック三冠は、次世代の優秀な繁殖馬を選別するためのレースに位置付けられています。

出走条件が牡牝となっているレースは将来の繁殖馬を探すためのもの。そのためタマタマのない騸馬は参加できません。一方で牝馬の参加に制限はないため、2007年のウォッカのように牝馬三冠ではなくダービーに出ることはできます。

牡牝限定レース

  1. 朝日杯フューチュリティステークス G1 馬齢 2歳 牡牝
  2. ホープフルステークス G1 馬齢2歳 牡牝
  3. スプリングステークス G2 馬齢3歳 牡牝
  4. ニュージーランドトロフィー G2 馬齢3歳 牡牝
  5. 皐月賞 G1 定量 3歳 牡牝
  6. NHKマイル G1 定量 3歳 牡牝
  7. 東京優駿 G1 定量 3歳 国 牡牝
  8. 神戸新聞 G2 馬齢 3歳 牡牝
  9. 菊花賞 G1 馬齢 3歳  牡牝

 

タマタマを取られる時

競走成績が残せず繁殖用になれない牡馬は去勢されることがあります。

去勢の効果に個体差はあるものの、男性ホルモンが減少することで気性(性格)が穏やかになります。肉体面でも筋肉が柔らかくなり、牡馬に多い故障が減ることや、体調が安定するなどの効果が期待できます。

また生殖器関連の疾病を抑えられるため、去勢には馬にとってもメリットがあります。

日本では去勢には消極的ですが、生産の行われていない国、香港などでは去勢が普通に行われています。

そして競走馬を引退して乗用馬になる馬は、ほぼ去勢されます。

 

「牡」でいられる馬は、それだけですごい存在とも言えます。

牝馬と仔馬牝馬〔馬の性別 – ひんば〕騸馬〔馬の性別 – せんば〕

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