動物の 体温・心拍数・寿命

哺乳類の体温と一分間の心拍数と寿命の表です。

体温心拍数平均寿命

 

哺乳類は体温が低いほうが長生きという研究があります。体温が高い方が免疫力が上がって健康になると言われますが、寿命に関しては体温が低い方が有利であるデータがあります。

実際、馬の体温は人間よりは高いものの、犬猫豚に比べると低く、寿命も長い。

そして動物の寿命までの総脈拍数は一定という説があります。
小さい動物は表面性が相対的に大きく熱が逃げやすい。そのため体温の維持に早い脈拍が必要であり短命。一方大きな動物は熱が逃げにくいので脈拍はゆっくりで長生き、という話もあります(ゾウの時間 ネズミの時間)。

寿命までの脈拍数は種類によって大きな違いがあるので、心拍数が「一定」という表現は盛っている部分がありますが、心拍数と体の大きさには相関関係があるのは確かです。心拍数が220のうさぎの寿命は6~7年。他と比べても短命になっています。
上の表の中では馬(サラブレッド)が一番心拍数が少なく、人間を除けば一番長生きをします。

一生の心拍数と体温。この二つをくっつけて体温・心拍数・寿命の相関関係について書けば面白い!と思い立って上の表を作ったのですが…。

力量不足でそこまで難しいことを考えるのは無理なことが判明。とりあえず自分の頭を整理する意味も兼ねて、動物の体温についての一般的なことを書いてみます。


動物の体温は、人間よりも高い傾向にあります。

エネルギー生産のしくみは生物はみな共通で、体温が高いほど運動能力が増します。空を飛ぶために激しい運動(羽ばたき)をする鳥類は哺乳類よりも体温が高くなります。
鶏が群を抜いて体温が高いのは鳥類故。

哺乳類とは異なる鶏を除外するとしても、豚で39℃、犬猫でも38.5℃。人間と比べると動物の体温はかなり高くなっています。冬場に猫を抱くと暖かいのは人間よりも体温が高いため。

38.5℃といえば、人間がその熱を出したら寝込んでしまう温度です。人間は高熱になると身動きもとれなくなります。しかし熱への耐性はあるようで、体温が42℃程度まで上がっても、熱そのものによって重篤な症状に陥ることはないと言われています(高熱により重篤な状態に陥るのは体温上昇そのものではなく、体温の調整機能がおかしくなっていることが原因)。

温度が高いほど身体能力は上がり、ウイルスや菌類に対しても高い抵抗力を持つことができます。したがって体温が高いほど生存には有利になるはず。

ならば人間の体温も犬猫くらい高くていいような気がします。しかし現実には37℃近傍となっている。なぜでしょうか。

 

体温の高低とメリット・デメリット

体温が高いほど生存には有利になりますが、高い体温を維持するためにはそれだけ多くのカロリーが必要になります。体温が高くなればなるほど食べる量を増やす必要がある。つまり生命の維持が高コストとなってしまう。

人類の歴史は飢えの歴史といっていいほど食料確保に悩まされてきました。体温が高い人は何もしなくてもより多くのエネルギーを必要とするため、飢饉時に弱いと考えられます。

体温が高いほうが運動能力も上がるため、動物を追いかけたり逃げるのに有利です。おそらく病気にも強い傾向がある。
しかし飢饉が生じれば不利になってしまう。

逆に体温が低いと運動能力は下がりがちですが、飢饉には相対的に強くなります。


体温が低ければ飢饉には強い。運動能力の低さも道具で補えばいい。こう考えると低体温のメリットは大きく感じます。

しかし体温が低すぎれば代謝(生命維持のための基本機能)がきちんと働かなくなります。さらに菌に対する抵抗も落ちます。

低い温度では何万という菌類が活動しますが、37度前後の温度下では、有害な菌は数百種類しか生き残ることはできません

つまり体温の高さそのものが菌を防ぐ仕組みとなっているわけです。

飢えと運動能力と細菌への抵抗力。これらのバランスによって、それぞれの種の体温に落ち着いたと考えられています。

 

活性酸素の問題

老化の最大の原因と言われる活性酸素(フリーラジカル)はエネルギーを作る過程で常に発生しており、体温が高いほど多く発生します。

運動をすると体温が上がるのに加えて呼吸数も増加するため、より多くの活性酸素が生じます。

活性酸素は反応性が極めて高く、そばにあるものを傷つけてしまいます。外からやってきた異物だけを攻撃してくれればいいのですが、残念なことに相手構わず攻撃してしまう。

そのため多すぎる活性酸素は私たちの体の細胞をも傷つけています。早い話、喧嘩っぱやいトンがった困り者と言えます。

体内には活性酸素を無効化するための酵素や、発生そのものを抑える機構もあります。しかし余剰となる活性酸素は必ず発生します。

生物学者の長谷川雅美先生は、恒温動物の体温 37℃ は、活性酸素の発生と抑制のバランスの上に成り立ったのではないかと推測されています(体温はなぜ37℃なのか|東邦大学)。

活性酸素を抑制する機能は年齢とともに下がります。その結果、活性酸素の影響を受けやすくなるというわけ。

動物の子どもは代謝が激しく、体温は高く心拍数も多い。歳をとるにつれて体温は下がり、心拍数も落ちていきます。同じ1年でも、子供と高齢者では流れる時間が異なります。歳をとって活性酸素の除去機能が落ちても、代謝自体が下がっているため、ある程度のバランスはとれているのでしょう。

活性酸素と運動能力と抵抗力を別々の項目として書きましたが、活性酸素も免疫機能の一つであり、体温と運動能力抑制とも深く関連しています。どちらが後でどちらが先というわけではなく、相互に関連して、今の体温が獲得されたのでしょう。

馬にも水素水を与えることがあるようです。還元物としての水素を運動直後に飲ませれば活性酸素の悪影響を抑えられるでしょう。摂りすぎるとかえって短命になりますが、馬の身体の大きさを考えれば、そこまで与えようもないですから。

体温北陸農政局/動物の体温は人とくらべて高いのですか?

心拍数:理科年表(ヒトの心拍数は男女平均値、馬はサラブレッド1歳以上)

 

寿命

鶏:寿命|鳥便り
豚:豚、ヤギ | Wikipedia
うさぎ:うさぎの病院
牛:牛の寿命はどのくらいですか | 明治 | Q&A
犬・猫:ペットフード協会産経新聞報道
※ヒトと馬の平均寿命は適当

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