名古屋競馬場の8月2日第1レースで、騎乗馬の頭部を手で叩いているシーンがあり、当初から虐待ではないかとTwitterで拡散されていました。
こちらが問題のシーン。
かなり強くどついています。
叩いたのは加藤利征騎手、騎乗していたのはコスモレグノ(牡8)。
この行為に対し名古屋競馬が加藤騎手に確認したところ、アブを払い落とそうとしたとのこと。
令和元年度第10回1日目 加藤利征騎手の行為について
令和元年度 第10回1日目(2019.8.2)
1R 3号馬 加藤利征騎手の行為について本馬場入場時に加藤騎手が騎乗馬の頭を、手で叩いたように映像で見えた行為に対して、映像での確認と加藤騎手に対し事情を聴きました。
その結果、騎乗馬の頭部に止まった虻を払い落そうとした行為であった事が明らかとなりました。
従って、加藤騎手に対しての処分等はありません。当然ながら、競走馬に対しての暴力行為は許されるものではありません。
今後とも名古屋競馬関係者一同、競走馬への暴力行為を行わぬよう徹底をしてまいります。
馬がバタバタしていないのでアブいるの?とは思いますが、まあいるんでしょう。
「強く叩きすぎ」とか「払うだけならもっと弱くしろ」という批判はあって然るべきですが、映像からはこれが虐待目的かどうかは分かりません。
下の画像は動画をキャプチャしたもの。狙いを定めているようにも見えます。
個人的には「払い落とす」のではなく「潰そう」としたんじゃないかと思うのですが、それも憶測。
アブは固いです。はたいたくらいでは死なないので、とどめは地面で動けなくなってピクピクしているところを足でグシャっとします。勢いよくはたいたのなら、おそらくピクピク状態にしたかったんでしょう。
アブがいない時期ならともかく、今はハエやアブに悩まされる季節。アブを払うが”仮に”言い訳であったとしても、それを否定する根拠もない。
いちおう合理的な理由が説明されていて、それを覆す客観的な根拠がないのであれば、そうだと考えるしかない。それを嘘だと断罪するのは冤罪を生み出す元です。
誹謗中傷もダメに決まってる。
Twitterは感情増幅装置に拍車がかかってます。騒ぐ側も、理解を示す派どちらも酷い。酷いものほどリツイートされやすいという部分はあるにせよ、ここまで歯止めが効かないのなら18禁にしたほうがいい。
ちなみにTwitterは自分のタイムラインを見ても全体は分かりません。これもTwitterが極端になる理由の一因。全体はリアルタイム検索で確認できます。
虐待はなかったと言っているのではありませんよ。映像と加藤騎手の説明から、虐待にあたるかを判断するのは無理と言っているのです。
「そんなに強く叩くな!」「もっと優しく払うよう指導しろ!」というのならどんどんやればいい。
しかしこの件が虐待にあたるかどうかは別問題です。
騒ぎを見ていて思うこと
映像のクリーンヒットを見ると、日頃乱暴な扱いをしているのかもしれない。そんな予断は生じるかもしれませんが、ただの推測でしかありません。
映像だけを根拠に「アブを払った」ことを否定するのは無理。もし今回のことが虐待行為だと思ったなら、次から不適切な行為をしないかを注視していればいいのです。
Twitterでは一部の競馬関係者が感想を書かれたり説明されていましたが推測の域をでないため、あまり聞く耳を持たれていない。
そして中には虐待と騒いでいる人をバカにするような発言も散見されました。
素人が知らないのは当たり前。その素人にお金を出してもらって成立しているのが競馬です。だからこそ、知ってもらう努力が必要なはず。今回の処分に納得されないのも信頼がないからでしょ。
競走馬に対してこういう扱いをしますが、こういう理由によるものです。
かわいそうに見えても、適切な措置と考えています。
競走馬の育成や管理に必要なことで、馬に悪い影響もないので虐待とは考えていません。
馬の福祉にはつねに最善を尽くしています。
ファンに対してこんなことをきちんと説明していれば、騒ぎを抑えようとする人も増えます。
この手の問題が起きたときに極端に振れるのは、関係者が面倒を避け臭いものに蓋をし続けた結果です。
競馬の売上はしばらく伸びるかもしれないけれど、社会の理解を得る努力を怠り、臭いものに蓋をし続けてたら凋落は早いと思いますよ。
馬が売れなくなって「淘汰」が発生すれば、もっと批判が多くなるでしょう。面倒を避け続けてるんだから、そうなったときに支持が少なくても仕方ないよね。
馬関係者(競馬サークル)以外に対しても目が向いている一部の人やJRAは、社会における競馬の位置付けと理解について危機感を持っていると思います。しかし全般的に目が競馬サークルの内側に向いてる人が多すぎでしょ。
一応の合理的な説明がある今回と、以前名古屋競馬であった頭を叩いたものとは別問題です。