レイズアスピリット虐待疑い(ネグレクトの疑い)問題のまとめです。
情報の食い違いを防ぐため、タイムラインは、昨年末からかかわってきた ピース・アニマルズ・ホームのInstagramアカウント(peace.animals.home_official)の情報と、メディア報道のみを元にしています。Instagramは埋め込まないので、動画や詳しい内容はリンク先を直接確認してください。
※管理者名(預託牧場)および馬主名は記載しません
目次
レイズアスピリット虐待疑い問題概要
レイズアスピリット問題は、金沢競馬所属のレイズアスピリットが、富山県高岡市内の預託牧場で虐待されていたと思われる問題(ネグレクト)。
レイズアスピリットは昨年末より雪の中で動けなくなったまま放置されていた。寒さを心配する人と動物愛護団体の訴えで行政が動き、1月19日には除雪作業をして厩舎に入れたことで一時は改善したかに思われた。
しかし1月26日、レイズアスピリットは、放牧地に出されて衰弱して瀕死の状態で発見される。レイズは救出され乗馬施設に運ばれ治療を施され、回復。現在は富山県馬術連盟で飼養されている。
下のタイムラインからも分かるように、実態は動物愛護法(第二条2項)違反であった疑いが濃厚である。
レイズアスピリット問題、タイムライン
時系列で並べています。情報が入り乱れていたことから、ピースアニマルズホームと報道のみにしています。上の青の太字はInstagramへのリンクになっています。
- 馬の飼い主と、その馬をかわいそうにおもいボランティアで1日2回安否確認や食事の用意をしている人と会話
- 馬は打撲のため休養にきている競走馬
- ボランティアは馬の体が冷えることを心配して馬着を用意するが、飼い主〔馬を預かる牧場主〕に外では着せてはいけないといわれ着せず
- 馬にたいする独自の考えかたを持つ高齢の飼い主のかたの説得は難しい
- 見守ることの許可を飼い主に得て、ボランティアのサポート的な形で協力
- 以前、別の馬の事故死の原因となった柵の補修工事、皮膚の悪化の手当など、環境改善への協力をしていく方針とした
- 飼い主はそろそろ馬を厩舎へ戻すようなことも言っていた
- 年末の12月31日から1月19日までの経緯報告
- 12月31日 現地(放牧場)で牧場主とボランティアと話す。牧場主は馬の扱いについて聞く耳を持たなかったが、協力は承諾されている
- 数日様子をみても改善されず、天候悪化大雪のなか馬の状況は悪くなる一方だった
- 1月14日(木曜)に富山県庁へ、翌15日(金曜)に高岡厚生センター、家畜保健所へ通報
- 1月18日(月曜)、市役所、警察、厚生センター、家畜保健所の方々が一緒に現地へ出向き管理者へ直接注意指導。厚生センターよりPAHへ報告の電話
- 以下、時系列不明。3日間飼料が管理者より補充されなかったため、1月16日土曜日の18時過ぎにNPO法人ピースアニマルズホーム能町施設の在庫の牧草類、りんご、にんじんなどをボランティアに渡す。
ボランティアはすぐに馬に与え、そのあとも引き続き飼料は途切れなく与えられる。管理者はその後飼料の補充をするも、管理者が用意する飼料はストックがすぐに尽きる程度の量であった
- 1月19日(火曜)13時30分頃、家畜保健所より「一部除雪し馬を厩舎へ入れた」との電話連絡
- 現地へ出向き、万全とはいかずとも放牧の状態から厩舎への移動を確認
- 家畜保健所の職員は、体調については2月に金沢の厩舎へ戻り専門の獣医に診てもらうことが治療するにもよいのではないか。家畜保健所は、引き続き馬を見守っていくとの言
NNN日テレNEWS24 2021年1月27日報道(映像・ニュース動画はリンク先にある)
大雪の際に孤立 衰弱した馬を救え|NNNニュース
日付は報道に基づく
- 1月13日、地元の人からの相談を受けた県の担当者が現地を訪れ指導。馬を雨風がしのげる場所に移動するよう指導した上、除雪を行い馬を小屋へ戻した
- 26日、馬は再び放牧地に出された状態で衰弱しているところを発見される
- 乗馬施設で治療をされる
- 獣医師によると、低体温と脱水で瀕死の状態となっていた
- 救命を始めて6時間後、ベルトで保持されながら立ち上がる
- 27日朝、解除ベルトを外してもふらつくことなく歩くまで回復
- 原則、飼い主が所有権を放棄しないと行政は介入できない問題がある
※これ以後2月8日現在まで、運び込まれた乗馬クラブで治療されている
- 家畜保健所による馬体検査が行われた
- 検査結果はわかり次第お知らせする
- 馬は現在も馬術連盟の方々によりしっかりと世話されている
- 家畜保健所よりいろいろな指導がある
- レイズアスピリットと会うには、感染症などの予防が必要であることや注意事項があることから、まずは連絡を
- 馬の健康手帳(検査、注射、薬浴、投薬証明手帳)を譲り受ける
- レイズアスピリット、馬主からピースアニマルズホームへの譲渡手続き中
- 馬体検査の結果待ち
- 富山県馬術連盟により飼養されている
- 馬への支援物資、寄付金への感謝
- 支援物資の送付先や寄付金についての案内
連絡先や寄付先などは、Instagramの投稿を直接ご確認下さい。
- 2月11日(木曜)レイズアスピリット馬主と直接会う
- 馬主に昨年から現在までの馬の状況を画像と共に伝えたところショックを受けていた
- レイズアスピリットをNPO法人ピースアニマルズホームへ正式に譲渡確約
- 譲渡費用の報告
- 回復後の行き先についても検討
馬の健康手帳についてはこちら
メディアでの報道
日付は報道に基づいています。ピース・アニマルズ・ホームInstagramと違うところもあります。
富山新聞
1月21日富山新聞報道。
今朝の富山新聞より、うちの近所での出来事。
放牧されていた金沢競馬所属馬が、先日の大雪で小屋に戻れなくなり、住民・愛護団体・行政が協力して救助した話。
こんな事があったとは知らなかった💦
放牧されていた馬がレイズアスピリットだったのにもビックリ😃#金沢競馬#レイズアスピリット pic.twitter.com/hk8GGGVzlw— YMMR (@ymmr1017) January 21, 2021
記事リード
高岡市戸出町4丁目にある馬の放牧地が7日からの大雪で埋まり、金沢競馬所属の競走馬1頭が一時、身動きの取れない状況に陥っていたことが20日、分かった。インターネット上で「寒そう」「馬を救い出して」との声が相次ぎ、住民や動物保護団体が連携して富山県や保健所に状況を連絡。除雪して通り道を確保し、無事に小屋に保護した。馬を管理する〔管理者名〕(82)は高齢で除雪ができず、周囲の温かい支援を喜んでいる。
富山新聞の記事ではええ話になっていますが、テレビでの報道からも分かるように実態は大きく違っていたようです。
普通に読めば、「雪で動かせなくなって困っていたが、自分でなんとかするつもりはなかった」ということですから。
日テレ系テレビ報道(北日本放送KNB)
瀕死となった馬を助ける様子がテレビで放送されました pic.twitter.com/t7GBx2n1WX
— 馬を救いたい (@ZarVUXMlKN1jKNp) January 27, 2021
NNN日テレNEWS24 2021年1月27日報道
(映像・ニュース動画はリンク先にあり)
大雪の際に孤立 衰弱した馬を救え|NNNニュース
- 1月13日、地元の人からの相談を受けた県の担当者が現地を訪れ指導。馬を雨風がしのげる場所に移動するよう指導した上、除雪を行い馬を小屋へ戻した
- 26日、馬は再び放牧地に出された状態で衰弱しているところを発見される
- 獣医師によると、低体温と脱水で瀕死の状態となっていた
- 救命を始めて6時間後、ベルトで保持されながら立ち上がる
- 27日朝、解除ベルトを外してもふらつくことなく歩くまで回復
- 原則、飼い主が所有権を放棄しないと行政は介入できない
レイズの世話をしている人のTwitter
レイズアスピリットの世話をしている富山県馬術連盟による情報提供アカウント。
左前脚の蹄叉が分離していたので、ハサミでカットしました。 だいぶん乾燥してキレイになりました。あと3肢も蹄叉腐乱になっているので、ケアしてあげたいと思います! pic.twitter.com/brdEsqSnKc
— レイズアスピリット (@reizuaspirtto_) February 1, 2021
蹄叉腐乱用のスプレーを使って徐々に良くなりそうです!毎日綺麗にしております!! pic.twitter.com/pWgDf3irEq
— レイズアスピリット (@reizuaspirtto_) February 2, 2021
今日は、東部・西部家畜保健所の方に血液検査と皮膚の検査、ボロの検査、馬体検査をしてもらい、現在検査待ちです。昨日と同様これから感染症にならないようにしてあげたいです。 pic.twitter.com/dNlQHxVBcE
— レイズアスピリット (@reizuaspirtto_) February 3, 2021
Mさんが綺麗にしてくれています!どれくらいかかるなー??それにしても酷い。 pic.twitter.com/nEMgVp69ra
— レイズアスピリット (@reizuaspirtto_) February 6, 2021
実は、昨日座ったら立ち上がれなくなり、皆さんの協力により、釣り上げて立てるようになりました。 pic.twitter.com/PRAuGVUzc8
— レイズアスピリット (@reizuaspirtto_) February 8, 2021
今朝自分の足でしっかりたっていますが、まだ不安なのでつってあります。レイズは、一生懸命ご飯を食べています。これから良くなってほしいです。 pic.twitter.com/2jmJlD2p9M
— レイズアスピリット (@reizuaspirtto_) February 8, 2021
ツイッターでの情報拡散時に生じた問題
1月中旬、レイズアスピリットを心配した人が、Twitterで3枚の写真をアップしたことから、この問題が大きく知られるようになりました。
それだけなら普通の情報拡散ですが、問題はその写真を見る限りではあまり問題がないように見えたことにありました。
馬の年齢も現役競走馬であることも伝えられていなかったことをはじめ、餌は与えられており、馬のいるところは乾いて見えたため、馬が寒さに強いことを知っている人からは「騒ぐほどのこと?」という反応が多数ありました。Instagramの写真やテレビ報道で、はっきり写っていた皮膚の状態も分からなかったのも一因でした。
寒いとこに置かれたままでかわいそう、といった文面があったために、ネグレクトではなく寒さを問題視しているように見えたのも、意識の差を生むことになりました。
筆者も「濡れそぼって風が吹いていたらともかく、これ、そんな問題か?」と思っいました。その写真を今見ても、餌はあるし、足元も悪くないから「水、凍ってない?きれいな水常に補充されてる?」程度しか思わない。
実際には餌も満足に与えられていなかったり、雪で身動きが取れなくなったのに放置しているなど、明らかな虐待(ネグレクト)があったのですが、それが伝わらなかった。
写真を投稿した人に、ここの写真やこんな動画を撮って見せてもらえるよう頼めばよかったのですが、そもそもピース・アニマルズ・ホームのInstagramを見ていれば、おそらく認識が違った人が多かったと思います。
はなから、昨年末から関わっていたピース・アニマルズ・ホームのInstagramの写真と文面を見ていれば、寒さはともかく「この扱いはあかん」という人が多かったでしょう。
十分な水と食べ物がなければ、寒さに強かろうがそうでなかろうが、そりゃ凍えます。
SNSでは拡散したのに、この手の話題にわりと敏感に反応する5ちゃんねる競馬板で反応が薄かったのは、うまく情報が拡散されていなかったからという印象があります(当時のスレッドはこちらにまとめてあります)。
金沢競馬現役競走馬”レイズアスピリット”瀕死でレスキュー〔5chまとめ〕