藤崎八旛宮秋季例大祭「馬の虐待」問題で検察に書類送付

2018年9月16日に行われた熊本県藤崎八旛宮「秋季例大祭」で起きた飾り馬の虐待問題で、熊本県警は2018年2月22日に3団体計12人が動物愛護法違反の疑いで熊本地検に書類送付したと発表しました。

馬の怪我が確認できないことから熊本地検は刑事責任を問うことは難しいとする意見をつけているため、不起訴になる可能性が高いようです。

捜査が行われたのは、かねてより飾り馬の虐待問題を指摘していたNPO法人アニマルライツセンターによる告発によるもの。

なお、藤崎八旛宮と奉賛会は現在は虐待にあたる行為を禁じています。虐待禁止が徹底されないのは、伝統という文化的な背景と参加者の認識、そして現代の価値観の問題に行き着くのでしょう。

 

伝統と動物福祉の問題

鞭の使用も合理的な理由があり、馬と人間の関係を築くことに寄与するのであれば、必ずしも虐待とはなりません。動物の扱いとして適切か否かが問題となります。

鞭の使用=虐待とは限らない点は留意が必要です。

 

ただ、熊本の件は動画でみると言い訳のしようがないレベルです。

かつては許されていた動物の扱い方でも、現代では虐待にあたることがあります。

伝統と現代の価値観で対立が生じることは珍しくはなく、伝統行事がしばしば福祉に反すると議論になります。

文化の問題でもあるだけに一律に規制すればいいとも言えないため、行政とまつりの主催者の間で、どこまでをよしとするかは話し合われています。

しかし虐待にあたる行為が規制されたからといって、現場でもその価値観が共有されるとは限らないことが今回の問題の一因でしょう。

これはダメというのではなく、なぜダメなのか。伝統行事として馬に蹴る動作をさせたいならどうすればいいのか。

伝統的な行事を継承するためには、こういった面倒さは避けては通れません。

藤崎八旛宮に限らず、現代の価値観と伝統をどうすり合わせて残していくかについて、きちんと考えないことには、どこかで歪が出てしまいます。「ここまではいい」「今はこれは禁じられているから、代わりに教え込むようにする」といった線引をして、ここまでは「虐待」とは考えていない。そう主催者が説明することも必要なのではないでしょうか。

藤崎八旛宮秋季例大祭熊本・藤崎八旛宮秋季例大祭の「馬の虐待」と動物の福祉の問題

 

 

 

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