日本と英仏独の乗馬人口統計です。数字は丁寧に調べてはいないので参考程度に。データとして中途半端ですが、一応根拠付きの数字はあったほうがいいと思うので公開しています。
日本の統計
乗用馬飼育頭数 | 乗馬クラブ飼育 | 乗用馬飼育施設 | 乗馬クラブ/ 馬術部 | 乗馬人口 | |
---|---|---|---|---|---|
2009 | 15,846 | 15,242 | 1,012 | 904/108 | 66,114 |
2010 | 16,147 | 15,543 | データなし | データなし | 70,988 |
2014(参考) | 15,475 | 14,744 | 1,415 | データなし | データなし |
乗馬人口7万人前後は「乗馬クラブ」の個人・法人会員の人数。馬術部や非会員で乗っている人口は含まないため実数とは異なる
乗用馬・競走馬を問わず、馬の生産・育成・調教や馬の管理を仕事として行っている人数も含まれない
2014年は基準の異なる参考値
2010年までの推移は農水省のデータで確認することができます。
イギリス英国馬関連用品取引業協会 2015年統計
- 270万人 総乗馬人口(2011年は350万人)
- 130万人 定期的に馬に乗っている人(2011年は160万人)
- 日常的に乗馬をしている人の73%は女性(2011年と変わらず)
- 乗馬をやめた人の18%はコストを理由に挙げている
イギリスの乗馬人口は2011年には350万人でしたが、2015年には270万人に減少しています。ただし2015年でも、見積もりとしては過去12か月間に乗馬休暇を取った人は300万人となっています。
2011年の乗馬人口の350万人は、過去12か月間に一度でも乗った人の見つもり人数です。2015年の推計乗馬人口は300万人ですが、データとして表記されている人数は270万人。基準が変わったのか、推定と実数が解離しているだけなのかは、データを購入しないことには分かりません。
詳しいことは偉い人が解説をお願いします。
イギリス Active People Survey
同じくイギリスのデータです。成人スポーツ参加統計 APS では、乗馬についても細かい数字が調べられます。
Active People Survey – Sport England
興味がある方は見てください。
上の統計は扱い方が今ひとつ分からないので、女性の乗馬人口について分かりやすく解説されているレポートから抜粋して紹介します。
用いられているデータはちょっと古くて2011年のもの(調査期間 2009年10月-2010年10月)ですが、女性の比率の高さが分って面白いです(Equestrian factsheet – Women’s Sport and Fitness Foundation、以下の図表は全てEquestrian factsheetより)。
対象は16歳以上で中強度の運動をした人
- 30万4,000人の女性が少なくとも週に一度は乗馬をした(2009-10)
- 女性対男性の比率はほぼ9倍(正確を期すなら8倍ちょっと)
- 乗馬熱は18歳までが高い
- 46%の女性ライダーは高収入に属する(£41,600以上)
- 女性ライダーの98%は白人。国全体の白人の割合は9割。
毎週乗馬をしている女性は30万4千人。月イチ以上で乗馬をしている人は、男女合わせて418,000人。多いといえば多いですが、人口に膾炙しているほどではありませんね。
もっとも自宅で飼っていたり近所の厩舎に預けている馬でお散歩してる分は含まれない(はずな)ので、馬の背中で揺られている人数は、はるかに多くなります。
上の図は、週一以上、または月一以上の頻度で騎乗している人の人口割合です。いずれも男性比率が極端に低くなっています。BETAのデータでは23%は男性なので、男性の乗馬人口はもっと多いはずです。
休暇で乗れるプランや、ハンティングなどで乗っている男性が多いであろうことが伺われます。
こちらは収入ごとの乗馬人口比率のグラフです。46%の女性ライダー、45%の男性ライダーは高収入に属しています(£41,600以上)。中所得層のライダーの割合は、国全体の割合と変わりません。しかし低所得層の割合が低いことが分かります。
乗馬はお高いんでしょう?お金持ちのスポーツでしょ?というのは正しい認識です。中間層の比率が変わっていないことを考えれば、それなりに安く乗れるとは言えます。また、騎乗コストは地域差も大きく影響しますが、全体的に金はかかります。
実際、乗馬をやめた人の18%は、経済的理由を挙げています。
国を問わず安く馬に乗る方法もあるにせよ、乗馬は基本的に金がかかります。きちんとしたレッスンを受けるなら指導員と馬を拘束するわけですから、相応の対価は必要になります。
自治体や乗馬振興の公共性の高い所であれば安くで乗れることもありますが、コストはどこかが負担しています。
それでもイギリスの乗馬人口のうち2割は低所得者層なので充分乗れているとはいえます。
さらに詳しいことは、 Equestrian factsheet で検索して確認してください。
イギリス関連補足
英国馬術連盟 (BEF) のデータでは、イギリスの現在の乗馬人口は 270万人となっています。
2010年4月では420万人となっていますが、この数字は定期的に乗っている人数ではなく休暇中に乗れる乗馬プランや、ハンティングなどで乗っている人も含むのでしょう。
ドイツ
2014年6月のドイツ馬術連盟のレポートです。
equestrian sports and breeding in germany
ドイツの14歳以上の乗馬人口は120万人。14歳未満も含めると170万人。100万人が乗馬を始めたいと思っている。
馬術連盟会員の75%は女性で、15歳から26歳の女性の馬術人口は全スポーツで3位。まさにメジャースポーツです。
フランス
フランス国立農学研究所(INAR)の馬産業2030年までの展望レポートに、2010年までの乗馬人口や馬の用途が記載されています。
第二次世界大戦後、輓馬(農耕や運搬に使われる大型馬)の大幅な減少がはじまりました。馬の総頭数は減り続けていたものの、乗馬馬は70年ごろから増加に転じています。さらに1995年を境に急激に増えています。
グラフ右上のパイグラフは2008年の馬の内訳です。7%のロバから右回りに競走馬19%、ポニー22%、乗用馬42%、輓馬10%となっています。
乗馬人口も増えており、2010年には150万人となっています。そのうちの70万人がフランス馬術連盟会員となっています。
フランスの乗馬人口は2000年から2010年までに56%増加していることから、急激に人数が増えていることが見て取れます。
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