乗馬人口が少ない理由

外乗 horse treck

日本の乗馬人口は近年では増えていると言われます。確かに乗馬クラブや外乗(ホーストレッキング)をできる施設も増えています。

しかし絶対数は少ないのです。

確かな数字がないので一般的な乗馬人口は分かりませんが、日本馬術連盟の会員は6000人程度であることからも、絶対数が多くないことは想像に難くありません。

グラフ乗馬人口 日本とイギリス・フランス・ドイツ

乗馬人口が少ない理由は、やはりお値段が高いからでしょう。

必要な金額的にゴルフと比較されることがありますが、ゴルフは知り合い同士や付き合いで「みんなでまわる」もの。年齢を問わず同じ土俵に立ち、会話をしつつ同じコースでプレーできます。

近年ではお一人様ゴルフも増えてはいますが、知り合いと会話をしながらプレーするのが基本です。

つまり乗馬とゴルフでは遊び方が違うので、比較対象としては適当ではないのです。

確かに乗馬でも外乗を共にすれば「みんな」で乗れますが、自由にとはいきません。

鞍数が多い人は初心者向けのコースではもの足りないし、初心者が上級者向けのコースに参加するのは無理。所要時間も大きく異なるので、「一緒に」が難しいのです。

馬に乗る理由

外乗 horse treck

イギリスの調査では、安全なオフロードライディングへのアクセスが多ければ乗る機会も増えるだろうという回答が5割近くありました。

グラフ乗馬人口 日本とイギリス・フランス・ドイツ

馬の背に揺られて自然の中を散策する楽しさは万国共通。外乗は国を問わず人気があります。多くの人が望むのは馬術競技の技術ではなく、外乗なのでしょう。

馬に魅せられて馬をより知りたい、もっとうまくなりたいという人は馬場が中心になります。

しかしホーストレッキングに魅力を感じている人にとっては、競技向けの馬術は、わずらわしく感じるか、逆に物足りなさを感じることでしょう。

馬術競技は上を目指せば目指すほど金がかかりますし、そこまで洗練した騎乗技術を望む人がどれだけいるのか、という問題もあります。

ドライブは好きでもフォーミュラマシンに乗りたいという人はさほどいません。「フォーミュラマシンに乗ってみたい?」と訊かれたら、「乗りたい」と返事をする人は多くいます。だからといって本当に乗る練習をしたりはしない。

フィギュアスケートに憧れたからといって、フィギュアを真剣にやる人はそうは多くはありません。スケートリンクでふつうに楽しめれば十分です。競技としてのフィギュアはお金がかかることや、スケートリンクも減っているという問題はありますが、競技を目指す人は多くはありません。

多くの人が魅力を感じる「乗馬」は、技術ではなくレクリエーションです。求められているのは、馬に負担をかけず安全に外乗できるだけの技術を学べる場(コース)。あるいは、馬と触れあうためのプログラムです。

つまり馬を介したレクリエーションを「目的」としたプログラムを多くの乗馬クラブで採用したら、もう少し気楽に始める人も増えるのではないか、ということです。

数日で5級がとれるとか、この金額で4級までいけるといったものではなく、騎乗も含めた馬という動物とのつきあい方を学べる場です。

こういった需要を満たすクラブは探せばありますが、今はまだ多くはありません。

 

ネックは入会金

乗馬

乗馬クラブの会員になるには、多くの場合、10万円程度の入会金が必要です。

10万円単位のお金を払って1年、2年でやめるのは心理的に厳しいものがあります。高い入会金を払う以上はどうしても長期で考える必要があります。

これが最大の障害で、たとえクラブに不満を感じても、おいそれと退会できないのです。これでは敷居は高く感じ、躊躇してしまいます。

 

乗馬クラブによっては、会員にならずに騎乗する「ビジター」というサービスがありますが、高めの料金設定になっています。

ビジターはある程度慣れてからならいいのですが、初心者のうちは足踏みしてしまい難しいかと思います。

入会金を抑えた1年コースを設置している乗馬クラブもありますが、通常会員よりは安くはあるけれど…というレベルです。

 

入会金不要で指導も受けられる乗馬施設

上のような条件から考えると、どんなところがいいのか。

リーズナブルに乗るならJRAの開催する乗馬教室がおすすめです。初心者向けの一年コースで、馬房仕事から騎乗の基礎までをきちんと学ぶことができます。

ただし募集期間が限られている上に、開催日も平日の水曜~金曜と、一般的なスケジュールの勤め人には無理という欠点があります(週末はスポーツ少年団)。

外乗のための基礎的な練習であれば、JRAの初心者乗馬教室や三木ホースランドパークのMIKIホーストレック、横浜市馬術協会のようなところがおすすめです。

三木ホーストレックや横浜市馬術協会であれば、予約さえ取れればいいので時間に融通がききます。

三木ホーストレックは馬事普及を目的とした、ちょっと変わった乗馬クラブです。レッスンは駈歩までで、障害飛越や馬場馬術は学べません。在籍可能期間も制限されています。

その代わり、みっちり基礎的な扶助を覚えることができます。さらに外乗コースもあるので、これから乗馬を始めようという人には最適です。

騎乗料は安いとは言えませんが、入会金が不要。月会費も安め。

JRAの施設を三木市が運営して、乗馬クラブは委託という変則システムだからできることかもしれませんが、こういうクラブが増えれば乗馬人口は増えます。

横浜市馬術協会は騎乗料は高め(ビジターとしては安い)ですが、その他の費用が要らないというメリットがあります。

乗馬の基本を覚えたら、あとは外乗を楽しむ。外乗に行かない月は2、3鞍、なまらないようにビジターで乗る。

こういう乗り方ができるようになれば、乗馬も一般化するのではないでしょうか。

グラフ乗馬人口 日本とイギリス・フランス・ドイツ

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