次亜塩素酸関連で、効果が確認されていないだの、噴霧はだめだのと、いまだにごたついているようです。馬関係の施設でも判断に困ることになっている予感です。
今回は(も)メディアが悪いです。「確認されていない」という文言を、非推奨なんて判断を勝手に書き加えているからおかしくなるんです。
- 次亜塩素酸水溶液は、濃度次第では新型コロナウイルスに効果がある
↑これは確認された事実です。
NITEが次亜塩素酸水溶液について言ってるのは↓でしょ。
- 「製品」として出回っている次亜塩素酸水の効果は今のところ確認できていない
- 次亜塩素酸水の噴霧の安全性はNITEは確認していない
- 次亜塩素酸ナトリウムの噴霧はすんな
こんだけの話です。製品でない十分な濃度の次亜塩素酸水に効果がないとは言っていない。
文科省が学校での噴霧を止めるよう求めたのは、公式に「安全性が確認」できてないから。
次亜塩素酸Naではない「次亜塩素酸」で問題は出ていないのだから、学校以外ならそこの判断で使えばいい話です。検証されていないから心配という人はやらなければいい。ただ、後述するように噴霧は安全とする説もあります。
次亜塩素酸水ってなんぞや
次亜塩素酸は身近なやつですよ。お肌や老化の大敵、活性酸素の一種と言えば分かりますよね。次亜塩素酸は体内でも異物を排除するのに生産されてます。
次亜塩素酸は強い酸化力を持っていて、近くにあるものの電子を強奪してしまうのです。で、タンパク質を壊しちゃう。強い酸化力があるということは不安定なんですね。爆弾みたいなものだと思えばいい。
コロナウイルスからすると、肩が触れただけでキレて爆発するヤバいやつなわけです。爆発して膜の一部が壊されて、感染力を失ってしまう。
次亜塩素酸はキレやすいから、近くのものに対して強い「消毒力」があるわけです。
次亜塩素酸水は扱いが面倒ではあるけれど、意外と長持ちする
強い消毒力があるのは情緒不安定だから。コロナウイルス以外にもキレるし、紫外線が当たると、ひとりで勝手にキレまくるから水溶液の濃度が下がりやすいのです。
次亜塩素酸水を推奨はしないという人は、ようは濃度が下がってても素人には分からんから「意味ないかもよ?」って感じです。
ただまあ有効な濃度を維持する期間を検証している人がいて、暗所に保管すれば2,3日は持ちますし、冷蔵庫だと1週間とかでもいけるみたい。一般的な製品よりも強い酸性での実験なので、どうなるかはわかりません。
元の濃度次第のところはあるし、使うためにちょくちょく開けたり締めたりをしていると下がりやすいので、実験よりは短いと考えたほうがいいでしょう。
役所とかお店で作って配布しているところで持ち帰って冷暗所に保存するなら2,3日ならいいんじゃね?というところではないかと。
ただまあやっぱり面倒なので、アルコールのほうが使い勝手がいいです。
アルコールが切れた頃、ドラッグストアの入り口においてある次亜塩素酸水に変わっていました。使う前に濃度が気になったので、近くにいた薬剤師を捕まえてどれくらいの間隔で入れ替えてるのか訪ねたところ「分からない」という返事。
具体的にどれだけで変えるかは指示されていないとのこと。
当時も人の出入りはそれなりにあったので、2日もかからず空になっていたとは思いますが、わざわざ使う必要もないやってスルーすることにしていました。
効果があるならやればいいけど、不明なことをわざわざやる意味はないです。逆に過剰に安全策を講じるのは「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」なんで、効果がありそうなことを最低限やるほうが楽だし肩も凝らないです。
「噴霧は危険」には異論も
噴霧が危険とする「専門家」の見解への異論も出ています。
これは濃度次第ってところがあるので、前提が異なると答えは変わりそうですが、まあ普通に噴霧ならいいんじゃね?という人もいます。人がいるところで、どの程度離すかという問題には触れられていのが玉に瑕。
次亜塩素酸水めぐる拙速報道に苦言 奈良林直(東京工業大学特任教授)
次亜塩素酸水の噴霧については、超音波加湿器の主な目的が次亜塩素酸水の噴霧として購入され使用されている事実を認識すべきだ。人体への影響についても特に問題になっていないのであるから、社会での使用実績に基づいて判断すべきだ。
また、畜産分野では、産業レベルで畜舎の噴霧に使われている。毒性に敏感な鶏も含め、牛や豚への影響も無い。人畜無害である。1枚のファクトシートで、次亜塩素酸水を使っている自治体や病院、一般家庭などへ無用な混乱を招いている。使用中止となった場合、畜産業で鳥獣感染症を発生させるような経済損失や院内感染を増大させる結果になりかねない。
なによりも空間噴霧の効果については、病院での実績データがある。噴霧をすると病院の患者のいる部屋の壁面や手すりなどの固体表面、床などのウイルスの菌数は、噴霧前の1/100以下に減少している。院内感染は、壁面や床などのウイルスが手の指や口、目に触れたときに起こるのであるから、空間噴霧はもっと積極的に行うべきだ。特に夏場は、冷房で熱中症を防ぐか、あるいはウイルス対策で換気を増やすかの選択になる。冷房してもウイルスの殺菌ができるシステムが必要になる。
次亜塩素酸噴霧の安全性を訴える科学者のアピールも(6月11日11時~ネット配信あり)
学者が次亜塩素酸空間噴霧の安全性についてのアピールのための記者会見を、11日11時より行うとのこと。ネット配信もされます。
時間があったら見るべし。
「次亜塩素酸水の新型コロナウイルスへの有効性と空間噴霧の安全性についての科学者による記者会見について」
日時: 6月11日(木) 11:00~12:00
会場: TKPガーデンシティPREMIAM丸の内パシフィックセンチュリープレイス13階 ホール13A
東京都千代田区丸の内1丁目11番1号次第:
11:00 会見趣旨説明・アピール
次亜塩素酸水溶液普及促進会議代表 越智文雄
11:05 三重大学大学院教授 福﨑智司
次亜塩素酸水溶液の効能・空間噴霧の効果と安全性
11:15 北海道大学名誉教授 玉城英彦 (テレビ参加)
新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水溶液の有効性試験結果
11:25 東京工業大学特任教授 奈良林 直
大量空間噴霧の実際と可能性 海外採用例
11:30 各研究者への質疑応答
11:55 終了
このサイトでは、濃度や使用環境の問題に触れていない点には留意してください。
筆者はミスト状態なら避けますが、離れて気化してたら気にしないかな。
信じるも信じないもあなた次第。