JRA所属の競走馬の「現役期間」は1年半? 登録頭数と新規登録数から推測

JRA の「経営に関する情報」ページには、事業報告書が掲載されています。

事業報告書には、年末時点での競走馬登録頭数だけでなく、競走馬の新規登録数・抹消数も記載されています。

それを元に作成したのがこの表。

新規登録抹消在籍頭数再登録在籍頭数÷
新規登録
平均年数
20135113516978693961.541年6ヶ月
20144896500077652951.591年7ヶ月
20155081505777892951.531年6ヶ月
20165445497282623171.521年6ヶ月
20175358519284283331.571年7ヶ月

※この表の在籍頭数は年末時点のもの。年始の数字を用いている統計とは異なります。
※地方・海外交流競走での登録分は含みません。

「再登録」まではJRAの報告書にあった数字そのまま。

JRAに登録されている馬の総数は分かる。新規登録数も明記されている。

なら新規登録数で割ってやれば、登録した馬が平均何年いられるかが分かります。ようは1年あたりに増える馬の何倍がJRAに登録されているかを求めればいい。

1年に5千頭増えるとして、5千頭しか登録されていなければ1年で入れ替わっていることになるし、1万頭登録されていれば平均2年間いることになります。

それを計算したのが「在籍頭数÷新規登録」の項。1.5年といっても分かりにくいので、月の単位に直したのが平均年数。

JRAに登録された競走馬は、平均で1年半~1年7ヶ月在籍している計算になります。

ただ、登録件数には地方に所属していてJRAに移った馬と、中央→地方→中央に再登録された馬が含まれています。

移動を伴う馬は最初からJRAに登録されたままの馬よりもJRAに所属する期間が相対的に短くなる可能性が高いため、最初から最後までJRAに登録された競走馬の現役期間は、おそらくもう少し長くなります。

グラフ競走馬飼養頭数 – 現役競走馬は何頭いるのかグラフJRA 引退頭数と登録頭数 週ごとの記録
これは平均年数で、統計でよく問題になる中央値・最頻値は分からない点には注意してください。

たとえば10頭の馬全てが1.5年入れば平均在籍年は1.5年。みんな1年半いるなら疑問の余地はないのですが…

10頭 × 1.5年 ÷ 10頭 = 1.5年

しかし3年半いる馬が2頭、1年の馬が8頭でも同じ結果になります。

( 2頭 × 3.5年 + 8頭 × 1年 )÷ 10頭 = 1.5年

この場合、中央値は1年であり、ほとんどの馬は1年しかいないことになります。JRAの競走馬の現役期間はせいぜい数年のことなので平均値との乖離はそれほど大きくはならないとは思いますが、平均値は実態にそぐわないこともあることは念頭においてくださいね。

なお年末時点では三歳がボリュームゾーンになっており、在籍馬の半数近くを占めています。

グラフ競走馬飼養頭数 – 現役競走馬は何頭いるのかグラフJRA 引退頭数と登録頭数 週ごとの記録

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