競走馬の抹消事由 競走馬引退後の行方をグラフ化 1位は乗馬の2,702頭

中央競馬と地方競馬に登録されていた競走馬の抹消事由を平成27年(2015年度)のみ集計。

「競走馬抹消事由」は、ようは競走馬からの引退の理由です。

当然ながら競走馬としてデビューする馬と引退する馬はほぼ同数となります。抹消数よりも登録数が多ければ在籍馬は増え、抹消馬が多ければ登録されている馬は減ります。期間の長い短いという違いはあれど、すべての競走馬はいずれ引退(登録抹消される)することになります。

サラブレッドとして生まれた馬の9割ほどは競走馬としての生活を送り、やがて競馬から引退する時期が訪れます。引退分には死亡する馬も含まれています。そのためすべての馬というわけではありませんが、登録されていた馬の大半は引退後の行き先が発生します。

引退事由一覧

引退事由を一覧にしたのが下の表。登録抹消の理由は「地方から中央へ」、「中央から地方へ」もカウントしているため、総計から移動分は差し引く必要があります。

中央競馬 (JRA)地方競馬 (NAR)
繁殖621(12.0%)394(8.4%)1,015
(中央からNAR)2,989(57.8%)2,989
(地方からJRA)458(9.7%)458
斃死162(3.1%)842(17.9%)1,004
乗馬1,194(23.1%)1,508(32.0%)2,702
使役馬1(0.02%)1
研究馬36(0.7%)36
農馬00
外国競馬00
時効1,428(30.3%)1,428
その他164(3.2%)82(1.7%)246
5,167(100.0%)4,712(100.0%)9,879
(※6,432)

2015年に国内での競走馬としての登録を抹消されたサラブレッドは総計9,879頭。この数字には JRA から NAR へ、NAR から JRA への移動分の 3,447頭 も含んでいるため、引退する頭数から差し引く必要があります。従って実質的な競走馬からの引退数は 6,432頭になります。

JRAとNAR間での行き来を除いた分で改めて集計したのが下の表。

競走馬引退後の実質的な行き先

行き先頭数割合(%)
繁殖1,01515.8%
斃死1,00415.6%
乗馬2,70242.0%
使役馬10.0(0.02%)
研究馬360.6%
農馬00.0
外国競馬00.0
時効1,42822.2%
その他2463.8%
6,432100.0%

 

引退事由をグラフ化

2015年度の「競走馬引退事由」より上で算出した、JRA・NARのいずれにも属さなくなった競走馬6,432頭分の行き先を示したのが下の円グラフ。この数字にはばんえい競馬の重種馬も含まれています。

引退事由で一番多いのが 2,702頭 を占める「乗馬」で42%。ただし、2014年の乗用馬飼育頭数は参考値で15,475頭(うち乗馬クラブ14,744頭)。

2位の1,428頭いる「時効」は地方競馬のみの制度。

  • 馬齢による出走制限(定年制度)
  • 長期間の不出走による競走馬登録の自動抹消

1位の乗馬と2位の時効で4,130頭となり、過半数を超えることになります。

1,015頭で16%近くを占めている繁殖は、ほとんどが牝馬です。ほぼ同数なのが斃死で1,004頭。

NARでの斃死がJRAでのそれより5倍多いのは、JRAよりも長く在籍する傾向にあることと、高齢馬の割合が高くなるためです。

繁殖と乗用馬

乗馬への用途変更は JRA、NAR 合わせて2,702頭。地方競馬の時効 1,428を合わせると 4,130頭になります。地方競馬の時効で抹消された馬も(明確な行き先が示されていないので)すべて乗用馬と想定すると、計4,130頭が乗用馬として引退していることになります。

牝馬は繁殖に回されることが多く、1,000頭前後が繁殖牝馬として登録されます。一方繁殖のための種牡馬は非常に少なく、数頭という単位。
繁殖牝馬の登録数は1万頭近いので、平均10年程度は繁殖として利用されている計算になります。

一方で乗用馬としては去勢した牡馬が扱いやすく好ましいため、(元)牡馬は乗用馬になる割合が高くなります。乗用馬→騸馬(元牡馬)、牝馬→繁殖の傾向にあります。

  • 引退事由1位の乗馬 と 2位の時効で4,130頭
  • 2014年の乗用馬飼育頭数は参考値で15,475頭(うち乗馬クラブ14,744頭)

ここで扱ったサラブレッドの頭数はJRA、NARいずれかに一度は登録された競走馬のもの。競走馬として登録されなかったサラブレッドも含めればさらに増えることになります。

血統登録・競走馬登録されないサラブレッドは、毎年1割ほどいます。

引退後の競走馬についてはJRAも記載していますが、登録されなかった馬も同様です。

競走馬の引退について
Q.競走馬登録抹消後の馬の行き先は。
A. 競走馬登録を抹消した馬は、JRAの施設から退厩することになります。
抹消後の行き先は、馬主と調教師が話し合ったうえで決められますが、地方
競馬へ転出するほか、繁殖馬や乗馬に転用される場合等があります。
なお、日本には、フランス等と同じく馬肉食の文化があり、引退した競走
馬についても一部加工食品の原料として利用される場合もあります。日本で
の競走馬の所有にあたってはこの点についてもご承知おきください。

中央競馬 Q&A 【日本国外居住者版】

 

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公開された情報なので、興味を抱かれたらご自身で調べてくださいという意図で、リンクは分かりにくく閉じさせています。
その他の家畜:農林水産省
馬関係資料 


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