
昨年12月から今年3月までの間に23頭の競走馬が死亡した米カリフォルニアのサンタアニタ競馬場で、ここ10日間で新たに3頭の馬が死亡。競馬業界への風当たりが強くなっているようです。
- 12月24日~3月31日
98日間 死亡23頭 - 2019年4月1日~5月16日
46日間 死亡0頭 - 5月17日~5月26日
10日間 死亡3頭
With the death today of 9yo gelding Kochees (injured Saturday) at Santa Anita, the tally is:
Dec 24 – March 31: 23 deaths in 98 days.
April 1 – May 16: 0 deaths in 46 days
May 17 – May 26: 3 deaths in 10 days— Tim Layden (@SITimLayden) 2019年5月27日
- 5月17日 24頭目 Commander Coil 3歳セン
- 5月19日 25頭目 Spectacular Music 3歳セン
- 5月26日 26頭目 Kochees 9歳セン
23頭の死亡によりルールの大幅な見直しが行われ、サンタアニタ競馬場では薬物の使用制限が厳しくなっています。鞭の使用についても3月中旬から新ルールが設けられており、鞭は騎乗者と馬の安全に必要な場合でなければ使用できなくなっています。この制約は調教時にも適用されています。
他の競馬場で同じ頻度で事故が起きていないことを考えれば、薬物や鞭でなく「馬場でしょ?」という他ないのですが…
4月の頭から一月以上死亡がなかったことを鑑みれば確率の問題なのかもしれません。56日間≒2月で3頭であれば数字としては少ないですが、連続事故の3頭目とあって多くのメディアが報じています。
26頭目の予後不良を受け、動物の権利団体PETAは「地区検事局による捜査が終了し、より厳しい新しいルールができるまで、サンタアニタおよびカリフォルニアの競馬場は競走中止すべきである。骨折を減らすだけでは不十分で、致死率0でなければ受け入れられない」との声明を出しています。
0は無理難題です。PETAはともかく世論が厳しいものになっているのは連続死の問題ばかりでなく、アメリカのサラブレッドレースの馬の死亡率が他の国より高いことが背景にあります。ニューヨークタイムスは4月29日に「馬の死が競馬産業を脅かしている:時代遅れのスポーツか?」という記事を掲載しています。
Horse Deaths Are Threatening the Racing Industry. Is the Sport Obsolete? – The New York Times
アメリカ国内では想像以上にヤバメの状況になっているようですが、同時に変革が進むきっかけになるのかもしれません。
それにしても、延期された「ムチなしデー」はどうなったのやら。

