JRAの騎手が障害レースの馬場状態の安全性について解説 不良馬場は問題ではない

JRA・栗東の高田潤騎手が、障害レースの馬場状態と安全性について、ツイッターで解説しています。解説というか、騎手視点での認識という方がいいのか。

オジュウチョウサンが5連覇を果たした4月18日に行われた中山グランドジャンプで、シングンマイケルが転倒事故で死亡。

当日の馬場状態が不良であったことから、馬場状態と怪我のリスクについてSNSで騒ぎになっていたことを受けての発言です。

JRAウェブサイト掲載情報
今日の出来事4月18日(土曜) シングンマイケル号が競走馬登録抹消

 

1番 シングンマイケル号(金子 光希騎手)
10号障害飛越着地時に転倒したため競走を中止
馬:頚椎関節脱臼(死亡)
騎手:頚椎捻挫

 

筆者注)生産牧場のツイッターにより、転倒前に心臓発作を起こしていたことも伝えられています

高田騎手は同レースでヒロシゲセブン(6着)に騎乗していました。

中山GJ当日は不良馬場であったことから、馬場状態そのものに問題があったのではないか、不良馬場での長距離は馬の体力が持たないのではないか、という意見があったようです(筆者は見てなかった)。

 

 

 

 

レース中の視界

 

ヨーロッパの障害レースとの違い

 

 

 

馬場と馬の肢への負担

 

 

 

 

馬の体力と馬場状態・馬場状態によってペースを調整

 

 

中山グランドジャンプ、過去5年間のタイムと馬場状態

中山グランドジャンプ J・G1
中山競馬場 4250メートル(芝・外)定量 障害4歳以上オープン(国際)

オジュウチョウサン 勝ち時計(一着馬のタイム)

  • 2020 天候 雨 芝 不良 2020/04/18 5:02.9
  • 2019 天候 晴 芝 良  2019/04/13 4:47.6
  • 2018 天候 曇 芝 良  2018/04/14  4:43.0(レコード)
  • 2017 天候 曇 芝 良  2017/04/15 4:50.8
  • 2016 天候 曇 芝 良  2016/04/16 4:49.4

障害競走は斤量(負担重量)が重めに設定されている他、比較的距離が長くなっているのもスピードを出させないためです。

以前はよく俎上に挙げられていた高速馬場と故障の関係も、タイムが早くなればなるほど故障が増えるわけではない、というデータが報じられることによって取り沙汰されなくなっています。研究者やJRA公式の視点だとデータがないから断言できないという状況は多いでしょうから、現場の声を伝えるのは効果あるかな。

予後不良・死亡は、中央競馬だけでも年に数十件発生しています。有名馬の事故が騒ぎになるたびに、無名で弱い馬は省みられない競馬の残酷さを感じています。

高田潤・日本中央競馬会騎手 栗東トレーニングセンター所属

Wikipedia – 高田潤
Twitter – 高田潤 (@zunzunzunbow)
競馬ラボ連載 – 「FEEL潤!!」高田潤騎手公式コラム

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