東京オリンピック2020 お年寄り子どもの観戦は気を付けたほうがいい

 

東京オリンピック2020まで1年を切り、本番前に実際に競技を行うテストイベントが各競技で開催されています。が、どうやら暑さ対策が思わしくないようです。

東京新聞では、お台場潮風公園で行われたビーチバレーボール大会会場に設置されたミストシャワーの手前の「WBGT」が31.1℃だったと報じられています。

WBGTは気温・湿度 ・輻射熱から算出した「暑さ指数」。暑さ指数が31℃を超えたら涼しい室内に移動することが推奨されています。

健康な成人なら31℃を超えても水分とミネラルを摂取していればそうそう問題にならないにしても、お年寄りと子どもはリスクがあります。2020年の夏が涼しくない限り、様子を見たほうがいいかもしれません。

日常生活に関する指針

温度基準
(WBGT)
注意すべき
生活活動の目安
注意事項
危険
(31℃以上)
すべての生活活動で
おこる危険性
高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。
外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
厳重警戒
(28~31℃※)
外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
警戒
(25~28℃※)
中等度以上の生活
活動でおこる危険性
運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
注意
(25℃未満)
強い生活活動で
おこる危険性
一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。

運動に関する指針

気温
(参考)
暑さ指数
(WBGT)
熱中症予防運動指針
35℃以上31℃以上運動は原則中止特別の場合以外は運動を中止する。
特に子どもの場合には中止すべき。
31~35℃28~31℃厳重警戒
(激しい運動は中止)
熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。
10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。
暑さに弱い人※は運動を軽減または中止。
28~31℃25~28℃警戒
(積極的に休憩)
熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。
激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。
24~28℃21~25℃注意
(積極的に水分補給)
熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。
24℃未満21℃未満ほぼ安全
(適宜水分補給)
通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。
市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。

環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは?

 

組織委は匙投げてるんじゃ?

東京新聞の報道によると、TOCOG(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)の理事会では、「観客の自己責任論」まで飛び出したとのこと。

 ラストマイルの道中の全てに、ひさしやミストシャワーを整備することは予算上、不可能だ。「最後は観客の自己責任になるのではないか」。組織委によると、七月三十日に行われた理事会で、一人の理事からこんな意見まで飛び出した。

会見した武藤敏郎事務総長は「組織委として自己責任という言葉は使わない」としながらも、「観客側にも対策を取ってもらえるよう情報提供していく」と語った。

東京新聞:ミスト、冷却グッズ…テストで不評 酷暑の五輪、対策大丈夫?:社会(TOKYO Web)

さすがに組織委としては自己責任という言葉は控えるようですが…。

これ、暑さ対策に芳しい成果が出ないから逃げを打ってるでしょ。「最後は観客の自己責任になるのではないか」は、責任問題が発生した時に「俺はあの時自己責任にすべきと言っただろ!」と逃げるための布石。

事故や急病はどうやっても避けられない部分はあります。ペットボトルの持ち込みを認めるようなので、そのチェックのために待機列が長くなるかもしれない。この辺はどうしようもない。最善を尽くしたうえで、何かあるのは仕方がない。

最終的には個々の自己責任です。そりゃそうです、暑いなか見に行くと決めたのは自分なんだから。

しかし開催前から自己責任なんて言葉が出るようでは、主催者の責任はどこへとなってしまう。

予報でこの気温を超えるのなら高齢者幼児は入場させない、外出を控えてという方が誠実です。会場や周辺の気温がどのくらいでどんな環境かを知らない人には適切なリスク判断はできないですよ。やってみないと分からないからテストイベントやってるんだし。その知見をもとに主催者が線を引くしかない。

暑さ対策と効果は会場によっても異なります。開催時刻によっても大きく違う。

そうは言っても、運営者の中でここまで無責任な発言が出ているのを知っていながらチケット購入をお勧めするのは難しい。お勧め記事を読んで買った人に何かあったら、間違いなく申し訳ない気分になります(直接私に責任があるわけではないし知ることはないにしても、やはり気がかりにはなる)。

そういった理由から、暑さ対策OKとか大丈夫といった情報が出るまではオリンピックチケット関係の記事投稿は控えます。

現段階でできることといえば、来年涼しいことを祈ること、そしてオリンピック観戦に赴かれる際は旅行保険への加入をお忘れなく、ということくらいです。