複勝でも馬券ころがしは無理ゲー その理由と考え方

”転がし”という馬券の買い方があります。

払い戻し金をそのまま次のレースに賭ける手法で、主に的中しやすい人気馬の複勝馬券で行われます。利用する馬券の種類によって、複勝ころがし、単勝ころがしなどと呼ばれます。

この”ころがし”がJRAの用語辞典に掲載されていて、「1レースでも不的中だとすべてが無に帰してしまう」という身も蓋もない書き方がされていました。

勝馬投票券の買い方の一種。この買い方の特徴は、あるレースを的中させたら、その払戻金をそっくり次のレースにつぎこみ、さらに的中したら、次のレースに……というように雪だるまをころがすように増やしていく点である。したがって成功したら、大変な金額になるが、逆に1レースでも不的中だとすべてが無に帰してしまう。

ころがし(競馬用語辞典) JRA

勝ち続ける限り雪だるま式に増え続けるからウハウハになれる、ように感じる。けれど勝率のいい複勝でもなかなかうまく行かない。

その理由を、簡単な説明とめんどくさい話の両方で書きました。

複勝率は単勝1番人気で65%として計算しています。競馬場や馬場によって異なりますが、実際にはもう少し低くなります。

”転がし”の基本的な考え方

競馬

馬券の転がしは勝った分だけ次につぎ込む複利式。そのため勝ち続ける限り、雪だるま式に利益が増え続けます。

たとえオッズが1.2倍でも、1万円の10回転がしに成功すれば 61,300円になります(端数切り捨て)。端数切り捨てなら、1,000円スタートなら5,200円、500円スタートで2,200円。

配当が低くても、当たりを引けば払い戻し金は増える。勝率が全てなので、統計的に複勝率が高いことが分かっている人気馬が選ばれるのが一般的です。

転がしの最大のメリットは、大金を賭けて外しても、失うのは最初に投じた金額だけであること。そして税金面でも、購入費を全て経費にできる利点もあります。

転がしはレースを楽しみながら、メインレースの軍資金を稼ぎたい人にこそおすすめな買い方です。しかし1レースでも外せばそれまで。

朝からいくら稼いでいても、10レース目で外したらおじゃん。

失敗したらそこでおしまいと決めておけば区切りにはなりますが、1レース目で外したら目も当てられない。

その日のかたい5レースを選んで、運が良ければ勝ちで終わる方法もありますが、ハズレれば0になることには変わりがない。

理想は的中率を100%にすることですが、それこそ必勝法になります。必勝法があるなら、ありったけの金を1レースに賭けるほうが控除の観点から有利になります。

 

転がしがうまくいかないシンプルな説明

馬 舌 しまい忘れ

「馬券転がし」がうまく行かないのは、どれだけ的中率をあげても100%にならないから。そして回収率の観点からすると、次の2つが原因になります。

  • はずれる時は、賭け金が必ず最大になっている
  • 毎回控除分の2割が引かれる

はずれる時は最小に、当たる時は最大になってほしいのに、”転がし”では、負けるときの掛け金が最大になります。

いくら配当がよくても、払い戻し金からは常に20%が控除されています。やればやるほど手数料が取られてしまう。負けがありうる以上、成功時のリターンの多さも必要なために手数料がネックになります。

 

めんどくさい確率の話

ダイス 確率

ここからはめんどくさい確率の話になります。興味のある人だけどうぞ。

次の表は、単勝1番人気の複勝率65%を元に、10回連続で成功する率を表しています。参考に80%のケースも載せています。

回数連勝確率:0.65連勝参考:0.80
10.6500.800
20.4230.640
30.2750.512
40.1790.410
50.1160.328
60.0750.262
70.0490.210
80.0320.168
90.0210.134
100.0130.107

10回連続で当たる確率は的中率65%だと1.3%、77回トライして1回の割合。まさにギャンブル。

1万円を77回投じて1回成功なので、成功時に77倍にならないと元が取れません。

10回で77倍にするには、計算上は複勝のオッズが平均1.5~1.6が必要になります。が…オッズが1.4だと28倍程度になり大赤字。単勝1番人気の平均オッズは1.3程度なので普通に買っていたら確実にマイナス。

単勝1番人気の複勝下限が1.6倍のレースを選んで65%の的中率が見込めるのであれば勝負になる。

複勝ころがしでトータルプラスにしたいなら、まずは条件を満たすレースを選び、かつ締め切り直前で下がらないという条件が必要に。もちろん的中率を上げられるのなら条件は緩くなります。

 

普通に複勝を買う方がいい

競馬

65%の確率で複勝馬券を当ててプラスにするには、オッズ1.6倍が必要になります(転がしと同じ)。

しかし転がしと違って連続で当てる必要はないので選択の幅は広がります。

次の表は、65%の的中率で5回やった時の連勝率と確率分布です(二項分布)。

5回やったら6割くらいは3回か4回当たるので、かたそうなところに厚く、微妙なところに少なめに配分するのが吉。

という普通の結論になります。

回数連勝確率確率分布
10.6500.049
20.4230.181
30.2750.336
40.1790.312
50.1160.116

 

複勝の考え方はこの動画が分かりやすい。

ちなみに馬券売上は、複勝も単勝も2005年頃からじわじわ伸びています

単複は1990年代には売り上げの6%程度であったのに、現在では倍以上の15%近くを占めるまでになっています。