信任状捧呈式の馬車列

信任状捧呈式送迎馬車列
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信任状捧呈式(しんにんじょうほうていしき:奉呈式とも)は、大使や公使が全権代表として着任する際、派遣元の国の元首からの信任状を、駐在予定の国の元首に渡す外交儀式。

信任状を携えた外交官を全権代表大使もしくは全権代表公使として受け入れてもらうための手続きで、受け入れる側の国(接受国)の元首への親書として手渡されます。

外交官派遣元の国がその外交官に権限を与え、受け入れ国も信任状をもってその外交官を全権大使・全権公使認めるといったもの。信任状と併せて前任者の解任状も渡されます。

 

日本が受け入れる側となる信任状捧呈式は皇居宮殿で行われ、新任の大使や公使は、派遣元の元首からの信任状を日本の元首である天皇陛下に捧呈します。

信任状を携えた大使や公使は、受け入れ側の用意した護衛つきの車両で捧呈に赴きます。送迎には自動車が用いられることが一般的ですが、一部の国では移動手段に馬車を選ぶことができます。

 

日本では送迎に自動車と馬車を選ぶことができます。送迎に馬車を選べる国は少ないこともあり、多くの大使・公使が馬車での移動を選んでいるようです。馬車での送迎は東京駅から長和殿の間で行われています。

捧呈式の送迎馬車列での送迎を好むのは外交官ばかりではありません。見物する人にもまた人気があります。

馬車列の運行時刻とルートは公表されており、馬車列を見ようと多くの見物人が集まります。近代的な都市中心部を馬車が走る様は幻想的ですらあります。

送迎に利用される儀装馬車(儀礼用に装飾などがほどこされた馬車)は大正2年に製造されたもの。漆塗りを基調とする車体に金の文様があしらわれた馬車そのものが遠目にも美しく、大正ロマン・昭和モダニズムを感じさせます。

儀装馬車の概要 – 宮内庁

 

信任状捧呈式送迎馬車の経路

信任状捧呈式送迎馬車の運用日時と経路は公表されています。

  • (往路)東京駅→行幸通り・和田倉門交差点(直進)→皇居外苑→皇居正門→宮殿(長和殿)南車寄
  • (復路)宮殿(長和殿)南車寄→皇居正門→皇居外苑→和田倉門交差点(直進)・行幸通り→東京駅
信任状捧呈式送迎場車列東京駅ー皇居宮殿

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(2007年から約10年間は東京駅の改装などの理由で、送迎地は明治生命館から行われた。東京駅丸の内駅前広場の整備完了により、2017年12月11日から東京駅からの送迎に戻った。)

信任状奉呈式のスケジュールは宮内庁のサイトで公開されます。

信任状捧呈式の際の馬車列 – 宮内庁

 

馬車列

馬車列前後を警護する騎馬は、警視庁騎馬隊皇宮警察騎馬隊。馬車は宮内庁車馬課主馬班が運用しています。

現在使用されている馬車は儀装馬車4号。4人乗りの2頭曳の座馭式(ざぎよしき)馬車です。いわゆる二頭立ての馬車で、御者は御者台に座って運転します。馬車の後部にはフットマン(?)が一人乗っています。

騎馬隊の馬はサラブレッド。

馬車を輓く馬は、御料牧場で生産されているクリーブランド・ベイ系種(それ以外もいるかもしれませんが)。調教は皇居内の施設で行われています。

馬車をひく馬の目元についている眼帯のようなものは、視界を制限し、走ることに集中させるための馬具。ブリンカーです。これにも菊の御紋が入っています。

余談ですが「馬車馬のように働く」という言葉は、ブリンカーによって視界を遮られた馬のように、わき目もふらずに働くことです。重労働の意味ではないのです。

 

各国の信任状捧呈・送迎馬車列

▼駐英インド高等弁務官(イギリス連邦加盟国間での大使にあたる)の送迎

 

▼駐蘭アメリカ大使の送迎

▼日本:駐日トルコ大使の送迎

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