馬は人間の表情を読むことができる - 喜怒によって変わる馬の反応

馬は人間の感情を理解すると言われます。

近くにいる人が怒っていれば耳をうしろに倒して警戒し、機嫌がよければ馬もリラックスします。

馬上でも同じことで、きちんと扶助(ふじょ:馬に指示を伝える)できていれば言うことをきき、逆に慌ててバタバタすればなめられることもある。

このように馬が空気を読むことは知られていましたが、人間の表情そのものを判別していることもイギリスのサセックス大学の行った実験から分かっています。

同一人物の笑った顔と怒った表情の写真を馬に見せたところ、怒った顔を見せた時には心拍数が上がり、左目を向けて確認するなど、ストレスを感じた時の行動を取りました。

馬は人間の感情・表情を読む 英サセックス大学

馬が左目を対象に向けるのは危険を感じた時に取る行動とされています。
脅威を感じた時は脅威を判断する右脳での処理が優位になるため、入力元である左目でより多くの情報を得ようとします。

笑った顔を見せた時は反応が鈍かったことから、危険度が高いときほど反応が早いことも分かりました。

実験の詳細

「馬が人間の表情を読み取るのか」の実験を行ったのはイギリスサセックス大学の博士課程の学生 エイミー・スミス さんと「哺乳類の音声伝達と認知」研究グループ。

実験は2014年4月から2015年2月の間に、サセックス州とサリー州の乗用馬や家畜馬28頭に対し、笑った表情と怒った表情の写真を貼ったボードを見せて馬の反応を観察しました。

馬は人間の感情・表情を読む 英サセックス大学

ボードはE2の場所にいる人が自分の顔にかぶさるように 10cm ほど離してもち、馬からは写真の顔の主がボードをもっている人に見えるようにしました。

怖い顔を見せた時は馬の心拍数が上がり、顔を動かしては左目で確認するように写真を見続けました。

この実験で、馬は声色や雰囲気といった「空気」を読んでいるだけでなく、種の違いを超えて文字通り顔の表情を見分けることができることが明らかとなりました。

馬がビクついた時に顔を動かしたり浮足立って落ち着かなくなるのはよくあることですが、脅威を見極めようと左目で確認しようという意図もあるのかもしれませんね。

参考 Horses can read human emotionsSussex University, UK 参考 Horses read human facial expressions of emotion – Sussex ResearchSussex University, UK

 

表情を読むことは分かった。その先は?

馬がヒトの表情を読むことは分かりましたが、人間の感情を理解していることを立証するには、もう一つ壁があります。

「馬は人間の感情分かるだろ!」と言われそうですが、実験による立証はまた別なのです。

「人間の感情を理解する」の立証は、犬での実験が参考になります。

犬が感情を理解するかの実験は、「楽しい、陽気、怒り、攻撃的」を示す「写真と音声」を組み合わせ、人間の表情と声のトーンが一致している時とそうでない時の反応を観察したもの。その結果、犬は『写真の表情と声の感情が一致しているとき』ほど、写真の表情を見るというものでした。

リンカーン大学のクン・クオ博士によると、犬が人間の表情などを手がかりに感情を『区別』できることはすでに明らかになっていたという。しかし、それはあくまで感情の『区別』にとどまるものであり、いわば感情の『認識』とは別物だったのだ。

今回の研究で明らかになったのは、人間や犬による複数の感覚情報を、犬が一貫した『感情』として理解していることだ。同じくリンカーン大学のダニエル・ミルズ氏は、たとえば人間の怒声を聞いて犬の身体の状態が変わるという『反応』と、他者の幅広い感情表現を認識しての振るまいは明らかに異なるものだと述べている。

犬は人間の気持ちを本当の意味で『理解』していた

つまりサセックス大学の実験では馬が表情を区別していることは明らかになりましたが、感情そのものを理解しているかは立証されてないということです。この実験なら日本でもできそうですし、やる所ないでしょうかね。

 

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