枠連は1着と2着になる馬の枠番号の組合せを当てる投票方式。着順は問わないため、1-2の馬券を買えば、2-1でも当たりになります。正式名称は「枠番連勝複式」。
枠番号が当たっていればいいため、予想した馬がハズレても同じ枠の別の馬が入っていれば当たりとなります。
枠番号は出走馬をグループ化するためのもので、最大で8までと決められています。
枠連の馬券が発行されるのは、原則として9頭以上の馬が出走するレースになります。8頭までは1枠1頭になるため、枠連の馬券は発売されません。
枠連は1着と2着になる馬の組合せを予想する点では馬連のような連勝複式馬券と変わりませんが、同じ枠に複数の馬がいる枠連ならではの特徴があります。
- BOXの購入にはゾロ目は含まれまれない。ゾロ目も含めてまとめて買いたい場合はフォーメーションカードを利用
- 予想した馬がハズレても、選んだ枠の馬が1着2着に入っていればいいこと
- 一つの枠に複数の馬がいると、同じ枠の馬2頭が1着2着になる可能性が生じること
同じ枠に属する馬が1着と2着になった場合、同じ枠番号が並ぶことになります。これをゾロ目と呼びます。
たとえば16頭の場合は、8枠目には馬番号15と16の3頭の馬が割り当てられます。馬番号15と16が1着2着になると予想した場合は、8-8を選ぶことになります。
18-8のゾロ目の馬券は15-16の馬連を買うのと同じことになります。投票方式が異なるだけで予想は同じなので、馬連、枠連ともにオッズも同じになっていいはず。なのですが、ズレが生じていることがあります。
そのため枠連・馬連でゾロ目を買う場合は、オッズをチェックしてから有利なほうを購入すると若干お得になるケースがあります。
枠連の馬券 組み合わせ点数
枠連は1着と2着の馬の組合せを選ぶ連勝複式馬券なので、入線の順番は問いません。
BOXでの組み合わせはワイドや馬連と同じになります。ただしBOXでは同枠(ゾロ目)は含まれないため、別途購入する必要があります。フォーメーションカードを使うと同枠も購入できます。
BOX | 1枠 | 2枠 | 3枠 | 4枠 | 5枠 | 6枠 | 7枠 | 8枠 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
同枠なし | * | 1 | 3 | 6 | 10 | 15 | 21 | 28 |
枠番号は8までなので、枠連の組み合わせは最大で28通り。ではなく、ゾロ目(同枠)があるため36通りになります。
枠連の最大の求め方
8つの枠から2つを選ぶ組合せ
8×7÷2 = 28
ゾロ目が8通り
28+8=36
選ぶ枠の数+ゾロ目が組合せの総数ということです。
枠連は組み合わせの数が少ないためオッズは低くなります。枠連はもともとギャンブル批判が多かった時代に射幸心を煽らない投票法として導入されたため、他の連勝式馬券よりも低い
ゾロ目とBOX
同じ枠の馬が1着と2着になると、枠連での勝ち馬の枠番号はゾロ目になります。例えば16頭立てで15番・16番の馬が1着・2着になると、8-8のゾロ目が当たり馬券になります。
上述したようにBOXで馬連を購入してもゾロ目が含まれません。3頭の枠をゾロ目で買った場合、その枠の人気馬が競走除外などで出走しなくても返還がないことから、リスク回避のために別の種類の馬券でその組合せをカバーするケースが多いためと思われます。
フォーメーションカードを使えばゾロ目もカバーされます。
枠連の払戻率(控除率)
JRAと地方競馬主催者ごとの払戻率(控除率)。控除率は100%から払戻率を引いた値。
出走取消の場合
レースには登録されていても競走に出走しない馬が発生して、その結果として賭けが成立しなくなると返還対象となります。たとえば馬番号であれば、その馬番号の馬が出走しなくないと、その馬に絡んだ馬券は賭けにならないため、全額が払い戻しとなります。
しかし枠連では2頭いるうちの1頭が出走しなくなっても枠は有効となります。賭け自体は成立するため返還対象とはなりません。
ただしゾロ目は枠の馬が2頭を割ると賭けにならないため返還されます。
枠番号の振り分けルールと騎手のヘルメットの色
枠番号と帽子の色
競走に出走する馬には、馬番号と枠番号が割り振られます。
「馬番号」は一頭一頭の馬に割り当てられる番号で、ゼッケンにも書かれています。それに対して「枠番号」は出走する馬を8つのグループに分けるために用いられる番号です。
枠番号ごとにヘルメットの色が定められており、ヘルメットに割り当てられた色を帽色といいます。色の割当は一枠から、白、黒、赤、青、黄、緑、橙(だいだい)、桃の順に割り当てられています。
馬番号が見えなくても帽子の色で遠くからでもある程度把握することができます。
帽色とも言われますがヘルメットに色がつけてあるわけではなく、騎手はヘルメットの上に枠帽の色のカバーを被せています。
帽色の順番
1枠=白、2枠=黒、3枠=赤、4枠=青、5枠=黄、6枠=緑、7枠=橙、8枠=桃
色の順番は区別をつけやすいように、隣り合った色は補色や遠い色になっています。そのため覚えるしかありません。
虹の7色である「赤橙黄緑青藍紫」や「黒茶赤橙黄緑青紫灰白」なら覚えやすいのですが、色相環的に近い色なのであえてバラバラにしています。
枠番号の振り分け方
8頭までは枠番号=馬番号ですが、9頭を超えると外側の8枠から内に向けて順に割り当てられます。各枠は均等になるように配置されるため、たとえば9頭なら8枠のみ2頭、10頭の場合は、1~6枠が単枠。7枠と8枠が複数頭となります。
16頭の場合はすべての枠に2頭入ることになります。18頭の場合は1枠から6枠までが2頭、7枠、8枠が3頭になります。
8頭まで
8頭までは1枠1頭。枠連は発売されません
9頭
9頭では8つの枠に対して1頭余るため、外側の8枠に一頭を追加します。
16頭
16頭では、9頭目から16頭目までが1枠まですべて埋まり、各枠が2頭ずつになります。
18頭
レース出走頭数最大の18頭の場合は2頭枠が6つと3頭の枠が2つになります。
枠連に関するその他の情報
- 1991年に馬単が発売されるまでは、単勝と枠連の2種類の馬券しかありませんでした。
- JRAでは枠番号の連勝式である枠連しかありませんが、地方競馬では枠番号単勝式を発売しているところもあります
- かつては人気になる馬は一頭だけの枠になることがありました(単枠指定)。人気馬(有力馬)に賭けたつもりが、その馬が出走しなかった場合でも同枠の馬がいると払い戻しにならず、不満が生じやすかったための措置でした
- 1991年に導入された馬連によって、人気馬の出走取り消しに自力で対処ができるようになったため単枠指定は廃止されました