ハノーバ種
Hanoverian
気質は温厚にして素直。細かい動きやスピード、持久力、そして俊敏性を備えるため、スポーツホースとして人気が高い。
国際的な馬術競技、とくにドレッサージュ(馬場馬術)と障害飛越競技で顕著な成績を残している。最近はオランダ温血種やデンマーク温血種の台頭が著しいが、ハノーバの評価は変わらず高い。
もともと輓馬としても用いられた品種であるため、四肢は強く筋肉質。頭は中程度の大きさで軽く、首は長い。大きくて傾いた肩を持つ。
品種の目標とする平均体高は 165cm とされている。
品種の起源は16世紀にまで遡る。馬車馬としても用いられており、体格は逞しい。1870年以降は軍馬としての利用に焦点が当てられた。ハノーバが正式に品種として確立したのは1888年のこと。第一次・第二次大戦中は農耕馬として利用されるなど、機敏な運動性能よりも輓馬としての色が強かった。
大戦後はトラケナーやサラブレッドなどの軽種との交配が行われ運動性能を獲得。スポーツホースとしての人気を得る。
価格は血統次第では1億を越えることがあると言われるが取引が非公開の場合、ほとんどが推測(憶測)。種付け料も莫大なので、さもあらんという金額ではある。
JRAは東京オリンピックの馬場馬術競技を見据え、2017年に英国産のハノーバー種の騸馬(せんば:去勢された馬)、バローロ(2006)を購入している。佐渡一毅をパートナーに、すでに欧州の大会に出場。
バローロは2012年ロンドンオリンピック、2016年リオオリンピックの馬場馬術で金メダルを獲得したシャーロット・デュジャルダンを鞍上に、2016年に国際大会デビュー。その年のうちに78.725で優勝を飾る。翌17年には師匠であるカール・へスターも最高で79.850をマークするなど多数の勝利を収めている(スコアはパーセンテージで表される)。