クリーブランド・ベイ
Cleveland Bay
画像:牡馬 Cleveland Horse Society
クリーブランド・ベイは、イギリスイングランド北部のヨークシャー原産の大きめの馬。「ベイ」は湾の意味ではなく、馬の毛色である「鹿毛」のこと。名前は地名である「クリーブランド」と「鹿毛」にちなむ。
名前の通り鹿毛でなければ認められないため、クリーブランド・ベイはすべて鹿毛。
性格は温厚。体格は筋肉質で胸が広く首はがっちりしている。
体高にくらべて肢は相対的に短め。重量を背負ったまま長時間の行動ができるため、乗馬はもとより、体重の重い人を乗せたり、狩猟にも利用される。
分類としては重種ではないものの、農業や馬車馬としても用いられる。
イギリス王室や日本の皇室の馬車馬としても利用されている。信任状捧呈式のために皇居に赴く大使や随行員を東京駅で出迎える馬車列は、乗る側にも見る側にも人気。
信任状捧呈式の馬車列もとは Chapman Horsesと呼ばれた荷駄馬に、アンダルシア馬とバルブ種交配。さらにその後アラブ馬やサラブレッドと交配して17世紀ごろに成立。荷駄馬に由来するため、初期には輓馬に近かったとされる。
体格や性質のよさから、他品種との交配させることで、すぐれたスポーツホースが排出。アイリッシュドラフト同様に、他品種との交配に用いられることが多いために、純粋なクリーブランド・ベイは極めて少ない。
希少種となってしまったクリーブランド・ベイを英国王室で馬車馬として使うようになったのは、エリザベス女王による保護の意味合いもある。近年では保護策が功を奏して増えてはいるが、依然として絶対数は少ない。
日本では御料牧場でクリーブランド・ベイの種馬が繋養されており、馬車馬も国内で生産されている。
信任状捧呈式の馬車列